私がFPを知ったきっかけ
アーリーリタイアした数ヶ月後のある日、私は生命保険会社の担当者に会いました。
10年以上、親しい関係の担当者は世間話の好きな所謂「保険のおばさん」で、私より年上の女性です。
営業所が変更したとのことで、名刺を頂きました。
名刺に記載された長々しい肩書は、
「3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)」
と言うものでした。
銀行や保険等の金融業界では、とてもメジャーな資格で、昨年資格を取得したといいます。
担当者は、勉強するのは無縁といったキャラクターで、どことなく「おっちょこちょい」と言ったイメージがあり愛嬌のある方です。
そんな担当者の取得した国家資格に興味をもちました。
たぶん担当者が違っていれば、気にもとめなかったことでしょう。
その後、「FP」や「FP資格」について、ネット検索しました。
何の知識もなく会社を辞めた私にとって、興味深い内容のものでした。
会社を辞める時に、本当に様々な事を調べました。
所得税・住民税等の税金、健康保険、厚生年金や国民年金、雇用保険等・・・・
FPの分野には、それらが全て網羅してありました。
退職前に独自の手法で、生涯資金を算定し退職を決断しましたが、算定根拠が乏しいものでアーリーリタイア後は不安が募るばかりです。
この不安を解消するには、自身がFPになろうと思いました。
一枚の名刺が、思わぬ方向に私を動かしたのです。
実務経験がなくても、FPの国家資格が取得できるのか?民間資格は?
一般に、国家資格の取得には実務経験が伴うケースが多々あります。
私はFPに関する実務経験が全くありません。
実際に取得が可能なのか?私の最初の疑問でした。
国家資格は、レベルに応じて3種類あります。
・3級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、3級FP技能士)
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、2級FP技能士)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、1級FP技能士)
民間資格(日本FP協会)は、レベルに応じて2種類あります。
・AFP(Affiliated Financial Planner)
・CFP(Certified Financial Planner)
以下、5種のFP資格についての実務経験を簡単にまとめてみました。
国家資格 3級FP技能士の実務経験
・実務経験なく受験できます。

FP資格の登竜門的な存在の資格です。
国家資格 2級FP技能士の実務経験
・2年以上の実務経験が必要
・3級FP技能士の資格があれば受験可能
・日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者

3級FP技能士合格、又はAFP認定研修を受講すれば実務経験なくFP2級が受験できます。
国家資格 1級FP技能士の実務経験
・2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
・FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者

基本的に実務経験が必要ですが、実務経験なしで取得できるルートがあります。後述で補足説明します。
民間資格 AFPの実務経験
・国家資格2級FP技能士でAFP認定研修を修了した者

実務経験がない場合、AFP資格取得には2つのルートがあります。
民間資格 CFPの実務経験
・3年以上の実務経験

実務経験は自己申告ですが虚偽や不正が発覚の際は、資格取り消しの場合があります。
補足説明

1級FP技能士には、実務経験なく取得できるルートがあります。

結論を言えば、CFP以外の資格は「実務経験なし」でも取得できるルートが存在します。
実務経験を考慮しAFP資格の取得を目指す
AFP資格取得ルートの選択
実務経験のない私は、
のルートで資格取得を目指すことにしました。
AFP取得が念頭にあれば、
3級FP技能士試験をパスし、最短ルートでの取得が可能です。
時間がなく、最速で資格取得したい方にはお勧めのルートです。
ただ、このルートのデメリットは費用面にあります。
AFP認定研修①と②では学習内容のボリュームが異なり、
費用面において
の関係にあります。
結果として、
3級FP技能士→2級FP技能士→AFP認定研修①→AFP
のルートの方が費用面で安くAFP資格が取得できます。
(3級FP技能士試験を何回も落ち続ければ話は別ですが・・・・)
時間をとるか?コストをとるか?選択するのはあなたです。
資格取得時及び資格の維持に関わる費用
■AFP資格に関わる費用
・日本FP協会に登録する際に、入会金10,000円(消費税課税対象外)が掛かります。→初回のみ
・年会費12,000円/年(消費税課税対象外)→毎年
・資格更新2年毎(15単位)→別途費用が掛かります。
15単位の取得方法は様々で、昨年更新しましたが私の場合は3,000円程度でした。
ご参考まで・・・・
■CFP資格に関わる費用
・CFP認定者の登録料として、登録時5,000円(消費課税対象外)が掛かります。
・AFP同額の年会費12,000円/年他、CFP会費8,000円/年の計20,000円/年が毎年掛かります。
・資格更新2年毎(30単位)→別途費用が掛かります。
■国家資格 1級~3級FP技能士
資格取得後は一切費用が掛かりません。
AFPの肩書と公言力・公信力について
AFPの肩書
会社を辞めた当時は、会社での肩書がなくなり寂しい思いがありました。
今では、肩書は「ちっぽけなもの」と言えますが、その頃は何か肩書が欲しくてたまりませんでした。
日本FP協会は、日本で最大規模のNPO法人です。
AFPは、日本FP協会に登録することが条件で得られる資格です。
当時は、入会金と年会費の22,000円で肩書が手に入ると思い入会を決めました。
もし、私が金融業界で働く身であれば、AFP資格は目標にしなかったことでしょう。
会社の肩書があれば、入会金と年会費まで払ってAFPになる必要性が感じられないことでしょう。
企業によっては、AFP資格を推奨する企業もあるので、そういった会社に勤めていれば、AFPを取得するかも知れません。
AFPの公言力・公信力
FPを意識してから、ネットでFPの記事をよく見るようになりました。
文末に
ファイナンシャルプランナー 〇〇〇〇 ←名前
と記載されていれば、〇〇〇〇のプロフィールを確認するようになりました。
優れた記事の多くが、
1級ファイナンシャル・プランニング技能士やCFPが多く、AFPもよく見かけます。
AFPやCFPの場合、
ファイナンシャルプランナー(AFP) 〇〇〇〇
ファイナンシャルプランナー(CFP) 〇〇〇〇
と言う表記が目に留まります。
2級FP技能士や3級FP技能士の記事が圧倒的に少なく感じました。
公言力や公信力と言った観点で、AFPは最低限必要では?と当時思いました。
肩書欲しさと、そんな理由でAFP資格を目指すことにしました。
ファイナンシャルプランナーは誰でも名乗れます
そもそも「ファイナンシャルプランナー」は、誰でも名乗ることができます。
別に資格はいりません。
(国家資格の「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」は名称独占資格で、資格者でなければ、この資格名称を名乗ることができません)
有名なファイナンシャルプランナーの方は、逆に資格などの記載はなく、講演等の実績や出版した著書を並べることで、公言力や公信力を得ています。
ブログを書くようになってから思うのですが、個人ブログを見ると肩書や資格等に頼らず、公言力ある記事を書かれている方々を多く見かけます。
本当に羨ましい限りです。