この記事は2019年5月に投稿した記事のリメイク版です。
48歳で1度目のアーリーリタイアを経験し、56歳で2度目となった経験からアーリーリタイアの「メリット」と「デメリット」について精査してみました。
アーリーリタイアのメリット
メリット① 自由な時間を得る
アーリーリタイアは早期退職であり、定年前に自らの判断で会社を辞めることです。
定年制のあるサラリーマンが対象となる言葉です。
アーリーリタイアは、何も特別なことではありません。
60歳や65歳になれば、働き続けて定年を迎える人と同じく老後生活を営むこととなります。
アーリーリタイアで得られるメリットは何か?
それは、会社を辞めた日から定年までの期間、働かなくても自由に過ごせる時間を得ることです。
この時間は期間限定であり、この時間を買ったとも言えます。
この限られた時間をどう過ごすか?
それこそが、アーリーリタイアのメリットであり真価が問われるのです。
メリット② 会社から解放されます
人生を振り返ってみましょう。
私の記憶の末端は、幼稚園に通っていた5歳頃の思い出です。
それ以前の記憶はほぼありません。
幼稚園→小学校→中学校→高校→大学→会社
物心がついた頃から、集団の中に身を置いてきたことに気付かされます。
社会において常に他人と共存することが、あたり前のように求められてきました。
アーリーリタイアは、
定年を待たずして会社という集団から解放されます。
定時に会社へ行き、働き、仕事を終え家に帰る。
雨の日も、風の日、雪の日もこの繰り返し・・・・
アーリーリタイアすると、
目覚まし時計不要の生活が始まります。
この解放感は格別であり最大の魅力でもあります。
当然ながら会社での煩わしい人間関係からも解放されます。
会社であれば上司や部下、取引先等、
絶えず気遣ってきた人間関係からも解放されます。
これがアーリーリタイアの最たるメリットと言えます。
メリット③ 健康的な生活を営めます
自分次第のところもありますが、精神的にも肉体的にも健康な生活を営むことができます。
精神的な面では、仕事のストレス、人間関係のストレス等なく安定した時間を過ごすことができます。
規則正しい生活や食事を心掛け、何よりもスポーツ等の運動をする豊富な時間が確保できます。
健康は、お金で買うことができません。
アーリーリタイアは「時間」だけでなく、ある意味「健康」も買えると言っても過言ではありません。
お金で買うことのできない「時間」と「健康」を手に入れることこそが、アーリーリタイアのメリットと言えます。
メリット④ 好きな場所で暮らせます
会社で働いている時は、住む場所はテレワークでなければ通勤圏内となります。
会社が利便性の高い場所にあれば、必然とその近郊で利便性の高いエリアに住むことが望ましいでしょう。
アーリーリタイアをすることで、通勤の制約がなくなり、好きな場所に住むことができます。
ファイナンシャル面で言えば、何も利便性のいい立地条件にお金を払う必要はありません。
自身の場合、市街地のマンションから郊外の一戸建て(実家)に移住しました。
この移住により、10年間でおよそ1000万円の支出削減効果があります。
メリット⑤ 人生観が変わります
アーリーリタイアで得られた時間の多くを「考える時間」に費やすことができます。
余裕を持って考えることができ、また自身を見つめ直すこともできます。
仕事に追われる生活を余儀なくされれば、会社にある種洗脳された時間を過ごしたように思えます。
知らず知らずに人生にとって大切なものを失ってきたようにも思えます。
人生の価値観は人それぞれです。
アーリーリタイアすることで、人生における新たな価値観を見出すことができるでしょう。
アーリーリタイアのメリットまとめ
アーリーリタイアのデメリット
デメリット① アーリーリタイアは1億円をドブに捨てるって本当?
「一億円をドブに捨てる」とは、ネット上で目にしたインパクトあるフレーズです。
会社を辞めると、当然ながら定期的な収入が絶たれます。
45歳でアーリーリタイアしたとしましょう。
年金受給を65歳とすると20年間、無収入となります。
仮に、
45歳~60歳の可処分所得(年収から税・社会保険等を除いた額)が約600万円とし、
60歳から64歳の可処分所得を約300万円とします。
<45歳~60歳までの15年間>
600万円×15年間=9,000万円
<60歳~64歳までの5年間>
300万円×5年間=1,500万円
単純計算で1億円を超える計算になります。
アーリーリタイア後は、厚生年金の上積み分が見込めず、生涯貰う年金受給額も目減りします。
アーリーリタイアは「1億円をドブに捨てる」ようなもの
とネット上で揶揄されていますが、けして的外れな意見ではないようです。
働いていれば貰えた報酬を放棄することが、最大のデメリットと言えます。
デメリット② 肩書のない無職になります
企業で働いていると、会社名や役職はある意味ステータスなのかも知れません。
アーリーリタイア後は、そのステータスを全て失い肩書のない無職になります。
肩書のない無職だとローンの審査が通らない等、社会的な信用性を失います。
アーリーリタイア資金があるので、ローンを組むケースは考えにくいですが、
生命保険等の加入の際、審査のため職業(肩書まで)を明記する場合があります。
私は「無職」と書きましたが、「個人資産家」と書くよう指示されたことがあります。
やはり肩書なしの無職では、審査が通りにくいのかも知れません。
アーリーリタイア直後は、肩書を失い一時寂しく思いましたが、今は会社の肩書など「ちっぽけ」なものと思っています。どうせ会社を定年したら皆、肩書を失うのです。
今の時代、
「ブロガー」「ユーチューバー」「アフィリエイター」等、インターネット関連の肩書だけでも多岐に渡ります。
社会的な信用は別にして、何も会社名や役職だけが肩書ではないのです。
無職と言いたくなければ、新たな肩書を見つけましょう。
デメリット③ 金銭面の不安に襲われる
資産運用等で配当収入や不動産投資等で家賃収入等あれば別ですが、アーリーリタイア後は基本収入がありません。
年間で数百万単位のお金が消えていきます。
特に預金通帳を記帳する際、マイナスしかない長く響き渡る印字音を聞くと不安が募ります。
これが年金受給まで続くのです。
計画性を持たずにお金を使っていると、この不安に襲われることでしょう。
1年、3年、5年等と一定の期間ごとに預金残高がどのくらいになるのか、予め知ることで幾分不安は解消されることでしょう。
一般に定年退職(65歳)であれば、2ヵ月に一度、年金がプラス収入としてあるので不安感は差ほど感じないかも知れません。
アーリーリタイア後は、今まで安定した定期収入を得るのがあたり前だった分、この不安は耐え難いものと思われます。
また、円安による物価高のニュース等を見聞きすると、今後の生活が不安になります。
度を超える物価上昇となれば、アーリーリタイア資金は使わずして目減りするからです。
デメリット④ 資金に不安があれば質素な生活になりがち
余程アーリーリタイア資金が潤沢にあれば別ですが、一般に言われるアーリーリタイア資金では、日常生活をダウンサイジングする必要があります。
無職期間の生活費は、長ければ長い程多くの資金が必要となります。
例えば、無職期間10年を単身世帯の生活保護(13万円/月)レベルで生活すれば、1560万円の資金が必要となります。
もし、この資金があり働いていれば、1560万円は自由に使うことができ贅沢な生活も可能となります。
アーリーリタイアをすれば、必ず無職期間が存在します。
アーリーリタイアのデメリットまとめ