小中学生1人1台PC端末!年度内に99.6%普及か~図り知れない教師への負担

独り言

2020年9月11日 TBS NEWS

政府が今年度中に小中学生1人1台の配布を目指すパソコン端末について、ほぼすべての自治体が年度内に配布を完了する予定であることが文部科学省の調査で分かりました。

政府は当初、2023年度までに全国の小中学校に1人1台のパソコン端末を配布する計画でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、今年度末までに前倒しし、二度の補正予算にあわせて4610億円を計上しています。

文科省が全国1811の自治体に先月末時点での状況を調査したところ、速報値で99.6%が年度内に配布を完了する予定であることが分かりました。

緊急事態宣言の特定警戒地域に指定された13都道府県については、先月末までに配布することを目標としていましたが、配布済みの自治体は2.3%にとどまり、その他の県との間に差はみられませんでした。

一方、年度内に配布できないとした7つの自治体は「来年度以降に自主財源で配備予定」などと回答しています。

2019年12月、文部科学省が「GIGAスクール構想」を公表し、「GIGAスクール実現推進本部」を設置しました。

子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に向けて、令和元年12月19日、文部科学大臣を本部長とする「GIGAスクール実現推進本部」を設置しました。(文部科学省HPより)

GIGAとはGlobal and Innovation Gateway for Allの略。

GIGAスクール構想とは、

「児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」

と言われ、令和時代の学校教育のスタンダード化を目指すものです。

コロナとは無縁の時期に公表された施策に、ネット上では非難の声が相次ぎました。

「目的がわからない」

「週に数時間しか使用しないのであれば意味がない」

「教師の負担が増えるのでは」

「セキュリティ、システムの更新、システム管理などは誰が行うのか」

新型コロナウィルスの感染である意味、目的が明確化されることになります。

文部科学省では、

2023年度までに、義務教育段階にある小学1年生から中学3年生の児童生徒向け、学習用端末を1人1台導入する計画でしたが、「前倒し」することになります。

「ハード」「ソフト」「指導体制」の三位一体の改革

が必要とされており、今年度は「ハード」面に関し前進したに過ぎません。

ハード面では更に、高速大容量の通信ネットワークという課題もあり、自治体によりパソコンを配布したからといって、直ぐに活用できる訳ではありません。

「ソフト」「指導体制」に関しては、手つかずのままパソコンが配布されることになります。

「幼児教育の無償化」「GoToキャンペーン」等、前倒しすることで現場は確実に混乱し、今回の場合であれば、そのしわ寄せは末端である学校や教師に重く圧し掛かることでしょう。