「電波利用料」集め過ぎ1,000億円にも関わらず値上げ!家計への影響は?

独り言

2019/8/15

総務省が不法電波の監視などを目的に携帯電話会社や放送事業者から集める電波利用料で徴収額が支出を上回る状況が続いている。導入した1993年度から2018年度までに集めすぎたお金の累計は1000億円規模に膨らんだ。電波利用料の原資は携帯料金などで利用者らの負担増につながっている面がある。

出典:日本経済新聞 電波利用料、集め過ぎ1000億円 携帯利用者の負担増 (抜粋)

今年の5月、「改正電波法」と「改正電気通信事業法」が参院本会議の場で可決しました。

改正電波法の主な目的は、

第5世代移動通信方式(5G)の年内実用化を見据え、電波利用料を平成30年度の約620億円から令和元年度に約750億円に増やし、基地局間の光ファイバー網整備に充てる目的です。このため電波利用料は、放送局全体で約3割、携帯電話事業者は約2割負担増となる見込みです。

改正電気通信事業法の主な目的は、

携帯事業者に毎月の通信料と端末代の完全分離を義務付け価格競争を促す目的があります。

この法案の可決前、衆院総務委員会の場で、野党からの質疑が行われています。

電波利用料は、現行法では3年毎に見直すものですが、今回は1年前倒しで約130憶円増やす案に、その理由を追及しました。

野党は、ほぼ毎年度にわたり電波利用料の歳入が歳出を上回り、国庫に納入される剰余金の累計額が平成29年度末時点で約970億円あることを指摘しています。

立憲民主の岡島議員

「剰余金を使わず、なぜ電波利用料を値上げするのか?」

総務省の局長は、

「緊急性がある政策に剰余金を使う」
「電波利用料は3年間維持され、安定的に5Gの関係施策に充てる観点から改定する」
「利用料のあり方を不断に見直し、歳入と歳出の差額を適切に活用できる仕組みを検討する」

と回答しています。

そもそも、歳入と歳出のプラス差額が発生するのは、歳入である電波利用料が高いものと思われます。

それをなぜ余剰金を使わず値上げするのか?しかも1年前倒しで・・・・

局長の説明内容では、全く理解できません。

緊急性のある政策とは具体的に何?

いつ約1,000憶円もの余剰金を使うのでしょう?

 

電波利用料は、携帯料金に含まれて利用者が支払っています。

請求書の明細を見ても特に記載はありません。

ちなみに、

2017年度に携帯電話事業者が政府に納めた電波利用料の総額は,

NTTドコモ  167億円
KDDI     114億円
ソフトバンク 150億円

 

「家計」への影響はどれくらいあると思われますか?

携帯電話端末1台あたりの電波利用料は「年間140円」です。
(従来、年間200円から平成29年10月に年間140円に改定されています)

月にすると12円弱です。

電波利用料が2割、3割値上げされても、家計への影響はほぼないと言っていいでしょう。

 

家計への影響があるのは、「改正電気通信事業法」の方かもしれません。

通信費は安くなっても、端末代の値引きが制限されれば、トータル料金が高くなる恐れがあります。

選ぶ機種によっては、現状よりも高い携帯料金になる可能性があります。