定年まで同じ会社で働く終身雇用は「勝ち組」か?転職経験のない50代サラリーマンに問う

退職

50代は新人類世代

新人類とは、当時の若者を従来とは異なった感性や価値観、行動規範を持っている者とし、いい意味でも悪い意味でも使われた言葉です。

新人類世代とは、一般に1961年~1970年生まれと言われており、今現在50代の方が対象世代です。

新人類は入社当時、

「忍耐力がない」「甘えている」「常識が通じない」

と戦後のモノ不足を知る世代からは、よく言われたものです。

そんな新人類が今では「ゆとり世代」に対し、同じように嘆いています。

又、新人類の多くは「バブル世代」(1965年~69年生まれ)とも重なり、バブル景気に沸いた企業の大量採用期に社会人となった方も多いことでしょう。

長時間労働はあたり前、「24時間戦えますか?」といった栄養ドリンク「リゲイン」のテレビコマーシャルを見て、会社生活を送ってきたことでしょう。

上司に誘われた飲み会を断るのは言語道断、接待ゴルフ、接待麻雀等、自分の時間を惜しむことなく、あたり前に奉げてきました。

居心地が悪化する会社生活

入社当時は、手書きの伝票やFAXでの発注等が主流だった時代です。

外出時に呼び出しがあるとすれば「ポケベル」で、鳴れば近くの公衆電話から会社へ電話し要件を聞きます。

外回りの仕事であれば、行きつけの喫茶店が1軒や2軒あったことでしょう。

「一服も仕事の内」

タバコも場所を問わず吸うことができました。

社内でも電話を取りながらタバコを吸ったり、会議室は副流煙でホワイトボードが霞むことも日常でした。

今思えば、セクハラやパワハラに該当するものも多く、部下への配慮など微塵も感じられない時代でした。

生活=仕事=会社

ワークライフバランスといった概念に、否定論者も多いことでしょう。

残業しなければ、仕事をしていないと評価されたり、逆に残業時間が長ければ、一生懸命に仕事をしていると評価された方もいるでしょう。

会社生活は、およそ30年の時間を掛けて、ゆっくりと変遷し今に至ります。

終身雇用は「勝ち組」か?

かえる(蛙)は、熱湯の入った桶に入れると飛び出します。

水の入った桶に蛙を入れ、徐々に熱湯を注ぎ込んでいくと、飛び出すことなく蛙は死んでしまいます。

「勝ち組」のサラリーマンとは、例えれば熱湯に飛び込んでも生きていける蛙のような存在です。

進化とは、出世なのかも知れません。

進化してきたサラリーマンであれば、会社が存続する限り、終身雇用を目指すのもいいでしょう。

進化してなければ、熱湯に例えられる会社生活であれば、いつ辞めてもいいように思えます。

脱出するなら早い方がいいでしょう。

一度の転職もなく、終身雇用するサラリーマンは全体のおよそ3割と言われています。

時代に応じて進化してきたサラリーマンは、勝ち組と言えるのかも知れません。

ただ、桶から出た蛙は「負け組」なのでしょうか?

「井の中の蛙」という言葉どおり、終身雇用の勝ち組になれば、外の世界を知ることなく人生を終えるかも知れません。

桶の外で、野垂れ死にをすれば「負け組」なのかも知れません。

この日本において、会社を辞めて野垂れ死にすることは希でしょう。

負け組が存在しなければ、勝ち組も存在しないと言えます。

あなたの進化が問われるなら、終身雇用に拘ることなく、桶を飛び出す人生も選択肢の一つかと思われます。