貯蓄から投資へ!自己責任を盾にその責任を国民に押しつける無責任な政府

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岸田前総理大臣は、高齢者の投資への参加を後押しする「プラチナNISA」の導入を石破総理大臣に直接提言しました。

岸田前総理大臣

「(新NISAなどで)貯蓄から投資へという動き。日本の国のお金の大きな動きが今変わりつつある、こういった手応えを感じているところです」

石破総理大臣

「さあ、賃上げができました、嬉しいなってことですが、それをどう活用していくのかということで、この資産運用というものが大きな役割を果たすと承知を致しておる」

出典:テレ朝ニュース 2025年4月23日

何か釈然としないので記事を書きます。

政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、国民に投資を促しています。

「貯蓄から投資へ」とは、2001年4月に発足した小泉内閣が「骨太の方針」で掲げたのが始まりと言われています。

今ではあたり前に聞く言葉ですが、貯蓄と投資には明らかな違いがあります。

それは、ご承知の通りリスクの有無です。

しかし、その実態は「自己責任」を強調するばかりで、国民が安心して投資できる環境は十分に整えられていません。

果たして、この政策は本当に国民のためになっているのでしょうか?

具体的な手法を示さない無責任な誘導

「自己判断で投資してください」と言われても、初心者にとっては判断が難しく、投資を始めること自体に不安を抱えています。

銀行や証券会社は手数料の高い商品を優先的に勧める傾向があり、それが投資家にとって本当に有利な選択肢かどうかは不透明です。

政府が投資を推奨する以上、適切な教育や支援を義務化し、投資家が公平な情報を得られる仕組みを整える責任があるよう思えます。

例えば、政府が信頼できる投資先のリストや、リスクとリターンのバランスを考慮したモデルケースを提示することで、国民がより安心して投資に踏み切れる環境を整えるべきでしょう。

その上でリスクについて十分な説明を加えることで、国民理解が深まるものと考えられます。

また、投資教育の充実や、専門家による無料相談窓口の設置なども有効な手段かと思われます。

「長期投資なら安全」とは本当か?

政府は「長期投資はリスクが平均化され、安全な資産形成ができる」と推奨していますが、それが未来において確実なものとは言えません。

確かに、過去100年以上の市場データではS&P500やオルカンなどのインデックスは右肩上がりで推移してきました。

しかし、30年後に同じ状況が続く保証はどこにもありません。

技術革新、地政学リスク、金融危機など、未来の市場は予測不可能です。

「長期投資=安全」という安全神話は、原発と同じく崩壊を招く危険性を孕んでいます。

投資はギャンブルか?リスクとリターンのバランス

「投資はギャンブルではない」と言われることが多いですが、確実なリターンが保証されない点では共通しています。

確かに、適切な分散投資やリスク管理を行うことで投資の安定性は向上します。

しかし、投資初心者が誤解しがちなのは「投資=資産が増えるもの」という考え方です。

投資には損失の可能性があるにもかかわらず、それを十分に理解しないまま始めてしまうケースが後を絶ちません。

政府は「貯蓄から投資へ」を推奨するならば、リスクについての十分な説明を行うべきです。

金融機関の営業戦略 誰が本当に利益を得るのか?

銀行や証券会社が販売する投資信託には、手数料に大きな違いがあります。

その為、若い世代であれば賢くネット証券を活用しています。

金融機関は自社にとって利益率の高い商品を優先的に勧めるため、投資家にとって最善の選択ではないこともあります。

政府が国民に投資を促すならば、金融機関の販売戦略を監視し、投資家が公平な情報を得られる環境を整える責任があります。

例えば、独立した投資教育機関の設置、手数料の低い商品を推奨する制度の導入などが考えられます。

投資は個人の選択であるべきですが、それを国が推奨する以上、政府には適切な教育・情報提供・リスク管理の支援を行う責任があるよう思われます。

 

 

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