宅建試験の本質を知る
試験を攻略するには、まず相手を知る必要があります。
宅建は相対的な評価で合否が決まります。
これは受験生同志の闘いであり生き残り戦です。
令和5年度の合格率は17.2%です。
宅建は23.3万人が受験し4.0万人が合格する試験です。
試験の申込者数は28.9万人で、およそ5.5万人が試験を棄権放棄しています。
言い換えれば、試験会場の空席よりも合格者数が少ないことになります。
合格率17.2%とは100人中の17人であり、一発合格(初回合格)の割合は4割程度と言われており、17人の合格者の内7人が一発合格と推測されます。
試験は50問で、今年は36問正解できれば合格できます。
逆に言えば14問も間違えることができます。
1点差で不合格の方もいることでしょう。
点数的には1点ですが、そこには何万何千人の方がいます。
1点と言えば小さいよう思えますが、受験生が23.3万人の相対評価では大きな違いと言えます。
あたり前のことですが、他人よりも1点でも多く点数をとることが重要です。
他人と同じことをしても、合格は難しいことを理解すべきでしょう。
合格者・不合格者のYouTubeをみる
他人の勉強法を知るためにYouTube動画を見ることにしました。
一概には言えませんが
不合格になる方の特徴は、
山積みのテキストや問題集、マーカーや付箋だらけのテキストや問題集が見られ、勉強した痕跡と努力が見受けられました。
テキストで知識をつけ、実際に問題を解いて理解を深める
従来からの正当な学習方法かと思われます。
「問題集(過去問)を数周まわした」
けど不合格になる。
そんな状況が散見され、単に問題集をまわしても合格には至らないことも理解しました。
そんな中、「棚田行政書士の不動産大学」に出会います。
問題集をいくら回しても合格できない謎が解けました。
簡単に言えば、過去問の「周辺知識」を身につけることが重要なことを・・・・
合格への学習方法
前回の記事でも紹介しましたが、自身が行った学習方法です。
①テキストで試験の全体像を把握する
②宅建試験ドットコムの過去問題の解説を熟読する
③棚田行政書士の不動産大学のYouTube動画を見る
学習時間で言えば、
③≧②>>>>>>>>>①
テキストで学ぶことは殆どなく、項目とその知識ボリュームを把握するのために使用しました。
テキストはメニュー表であり、別に無くても「宅建試験ドットコム」があれば代用できます。
テキストとなるのは、宅建試験ドットコムの解説です。
宅建試験ドットコムには、
「過去問道場」
「一問一答道場」
「宅建士過去問題24年分」
「分野別過去問題」
といったタグがありますが、テキストの代用としたのは「分野別過去問題」です。
問題文を読み、回答の解説を全て読みます。
問題を解くのは目的ではなく、正誤の回答全てを読み理解することが目的です。
解説はとても詳しく、どの条文からの出題かもわかり、特に条文を理解するように心がけました。
また、類似・関連問題があればクリックし問題を解き進めていきます。
過去24年分あるので、令和4年度分を除き、過去10年分を目安に全分野を「理解するまで」満遍なく学習しました。
令和4年度分を除いたのは、模試に活用しようと考えたからです。
ただ解説を読んでもしっくりこない分野は、不動産大学の動画で補います。
試験が近づき、「宅建士過去問題24年分」から3年分を通しで解きました。
本番の試験でのペース配分を知る為です。
合格点が31点だった2015年、合格点が38点だった2020年10月、最新の令和4年度分の3年分です。
2015年と2020年10月分は、分野別過去問題を学習しているので、記憶に残っているものもあり合格点を上回ります。
あえて除いた令和4年度分はギリギリの合格ラインでした。
やはり初見の問題は難しいと知ったのは試験1ヵ月前のことでした。
定着しない知識を再度学習しながら、棚田先生の動画を見まくりました。
動画は今現在1705本もアップされています。
過去と今後はわかりませんが、令和5年度に関しては1日2本のペースで動画がアップされていました。
動画は10分前後のものが多く、何本見ても苦にならず楽しめます。
テンポのいい説明で、問題文を読んだ後にすぐ回答するので、動画を見ながら考えるには一時停止が必要で、必然と講義に集中できます。
経験談を交えた解説、人形劇や覚え歌等、ありきたりの講義ではなく受講者を飽きさせません。
特に覚え歌は秀逸で、エヴァンゲリオンや宇宙戦艦ヤマト等の曲にあわせ覚えられます。
ただ、歌詞をすぐ忘れてしまうため、試験の前日に4曲程覚え直して当日を迎えました。
試験にとても役だった教え(棚田行政書士の不動産大学)
宅建試験は問1~問50まであります。
問1~問14までが権利関係(14問出題)→目標9点
問15~問22までが法令上の制限(8問出題)→目標6点
問23~問25までが税法その他(3問出題)→目標2点
問26~問45までが宅建業法(20問出題)→目標18点
問46~問50までが免除科目(5問出題)→目標3点
目標は38点です。
絵に描いた餅のような話ですが、棚田先生いわく権利関係は学習しても成果が出にくいと言っていました。
権利関係を他の問題でカバーする
力の入れ方は、
宅建業法≧法令上の制限>権利関係>税法その他≧免除科目
といった感じです。
実際、権利関係の自己採点は6点で、他の問題でカバーしたよう思えます。
試験当日は、問26~宅建業法から解きペースを掴む
権利関係から解けばペースが乱されます。
自身の場合、問26~問50までを解き、25問中22点を獲得しており、前半戦は焦ることなく試験を進めることができました。
もし権利関係から始めていれば14問中6点の回答率で、ペースを乱され試験途中で合格を諦めたかもしれません。
ワンブーストの活用
自身は問題文を読むのが遅く、2時間で50問を解くのは困難でした。
ワンブーストとは、選択肢の1番目が正答なら2問目以降の選択肢を読まずに次の問題に移ることを言います。
実際の試験でワンブーストをしたのは4問あり3問正解していました。
マークシートに記入が終わったのは試験終了2分前、ワンブーストが功を奏したと言えます。
最後に
『宅建試験ドットコム』及び『棚田行政書士の不動産大学』は無料で誰でも活用することが出来ます。
長々と書きましたが、自身が再度来年、この方法で確実に合格できるか?と聞かれれば、答えはNOです。
理由は、『棚田行政書士の不動産大学』のチャンネル登録者数が現在16.1万人であり増加傾向にあります。
チャンネル登録せずに視聴している方や、合格してもチャンネル登録を解除していない方もいるので、一概に判断はできませんが、他者より抜きに出るツールでは無くなるよう思われます。
相対評価の宅建試験において、他者よりも抜きに出る為には、より質の高い通信講座や予備校等を活用するのが望ましいと思われます。
仮に費用が20万円だとしても、会社から資格手当が月額2~3万円貰えるのであれば1年で簡単にペイできます。
それぞれ時間とお金には事情があり、一概なことは言えませんが、何よりも自分にあった学習方法を見出すことが合格への近道です。